プラスチックごみの環境中への蓄積が世界的な問題となっています。そこで、焼却や埋め立てではない新しい処理方法として、微生物分解が注目を集めています。現在、宮本研究室では独自に見出した微生物を用いて、高速なプラスチック分解処理技術の開発を行っています。また、プラごみを新たな炭素源として、分解微生物に遺伝子をアドオンすることで有用物質の生産(アップサイクル)技術の開発も行っています。
可燃ごみの約40%を占める生ごみの内、約80%は水分です。その水分をたっぷりと含んだ生ごみは、腐敗による悪臭の発生やごみ収集車の燃費悪化など多くの問題を抱えています。さらに、生ごみの燃焼の際は大量のエネルギーを必要として、大量の二酸化炭素を放出します。そこで、各家庭で処分できれば、イノベーションとなります。この様な状況の中、葉山町の松本氏により消滅型生ごみ処理機「キエーロ」が解発されました。宮本研究室では、松本氏や全国のキエーロユーザーの方に協力を頂いて、キエーロの科学的理解と高機能化を推進しています。

開発した技術は、多くの企業や自治体と協力しながら、早期の社会実装を目指しています。そして、その技術を世界中へと普及させて、世界規模でのごみ問題の解決に貢献することを宮本研究室の最終的な目標としています。
Common Sense Innovation Lab
常識とは「一般の人々が共通に持つ普通の知識」と言われますが、そもそも「普通の知識」とは誰が決めたのでしょうか?例えば、現在の世界の常識では「微生物はプラスチックを分解できない」と考えられているでしょう。しかし、宮本研究室における常識は真逆です。ラボのメンバーには、「微生物がプラスチックを分解する」という事実を疑う者は誰もいません。
私たちは、独自に見いだした微生物を活用した新たなゴミ処理方法の開発に挑戦しています。この研究が成功すれば、現在の常識を大きく覆すことになるでしょう。そう、常識は固定されたものではなく、変わりうるものであり、私たち自身が変えていけるものなのです。
私たちは、自らが生み出す未来の常識によってゴミ問題を解決し、美しい地球を次の世代へ引き継ぐことを目指しています。さあ、やるぞ!
進行中のプロジェクト
JST共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)
リスペクトでつながる「共生アップサイクル社会」共創拠点
JST戦略的創造研究推進事業(CREST)
深層学習を用いたゲノムスタイル特徴抽出とDNA配列de novo設計と合成
科研費・基盤研究(A)
低分子化プラスチック分解菌をプラットフォームとしたサーキュラーエコノミーの創造
研究パートナー
寺本真紀(高知大学農林海洋科学部)
片岡正和(信州大学工学部)
榊原康文(北里大学未来工学部)
篠原信(国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構,)
田中浩也(慶應義塾大学環境情報学部)
青木まゆみ(慶應義塾大学田中研究室)
松本信夫(キエーロ葉山代表)
平野理恵(ゴミフェス532運営)
全国キエーロ普及推進協議会
ファブラボ鎌倉
パートナー自治体
鎌倉市、葉山町、大磯町
パートナー企業
ピーライフ・ジャパン・インク株式会社
伊藤園株式会社
株式会社湘南貿易
株式会社JEPLAN
三菱電機株式会社
株式会社カネカ
三菱ケミカル株式会社
東洋電化工業株式会社